米国の対中貿易赤字は10年以上ぶりの水準に縮小した。一見するとこれは、ドナルド・トランプ前米大統領が2018年に中国からの輸入品に課した高関税の影響で、両国経済のデカップリング(切り離し)が進んでいるかに見える。  トランプ氏は、大統領選で再選を果たしたら中国からの全輸入品に60%かそれ以上の関税を課す考えをちらつかせている。  だが米国は、データが示唆するほどには中国から輸入する慣行を変えていない。中国や西側の製造業者は、関税を回避する方法をいくつも見つけた。関税が引き上げられたら、おそらくさらに知恵を絞るだろう。