米金融大手ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)が社内で支配力を強めていることで、注目の後継者レースの流れが覆される可能性が浮上している。ソロモン氏(62)は、不振に終わった消費者金融事業拡大を巡って圧力にさらされていたほか、CEO職を続けることができるのか疑問視する声も出ていた。だがここ数カ月は、当面トップにとどまる意向を幹部に明言し、日常業務への関与も強めている。事情に詳しい関係者が明らかにした。このため、ゴールドマンの社長兼最高執行責任者(COO)であるジョン・ウォルドロン氏(54)の今後が取り沙汰されている。同氏はかねて社内外で次期CEOの最有力候補とされ、早ければ今年中にも就任する可能性があるとみられていた。後継者レースが流動的になったと関係者らは話しているが、一部の関係者はそれでもウォルドロン氏が依然本命とみている。同氏とソロモン氏は取材を断った。