政治は「胃袋」と同じ
体調が悪くなると意識する
シェイクスピアに『コリオレイナス』という戯曲があります。芝居としての人気はありませんが、欧米の大学の政治学科では、テキストに使われることがよくある作品です。
この戯曲のセリフに「政治」の本質を見抜いた名言があります。短く意訳すると、「政治は胃袋と同じさ。健康なときは誰も胃袋の存在を意識もしない。体調を悪くしたり、腹が減ったりすると胃袋をみんな意識する」。
確かに、高度経済成長の時代は、政治家がテレビの話題にのぼることは稀でした。しかし、今の情報番組は政治の話題で持ち切りです。それだけ、国民が「政治=胃袋」を意識し始めたとも言えます。
生活も未来も国の安全さえも不安になった時代、誰に政治を託せばいいのでしょうか。そこで「もしも今の政治家たちがビジネスパーソンだったら、どこまで出世できたか?」ということを議論してみました。
元になったのは、雑談です。私と、ビジネスパーソン(役員クラス)2人と、官僚トップOBの4人で食事をしたときの会話です。その会食で、政治家について以下のように評価し合いました。
・森喜朗(以下、全員元首相なので、肩書はつけません)
【宴会部長】大局観もなければ、国際感覚もなく、コンプライアンス違反のギリギリの暴言、戯れ言がいつまでも治りません。間違って出世すると、とても威張るタイプです。
・小泉純一郎
【社長か平社員】潰れかけた会社を建て直すなら社長は適任かもしれません。しかし、危急存亡にならない限り、役員にもなれない「変人」として終わっていたでしょう。
・福田康夫
【経営企画室長】正直、任期も短く、印象に残りません。ですが、ダントツの教養人で冷静でもあるため、このポジションに起用する手も。
・安倍晋三
【宣伝担当取締役】インドとの連携で中国を牽制するなど、外交的な成果はありました。アベノミクスという言葉で世界を驚かせて、一時大企業の窮状を救いました。しかし、本来放つべき二の矢、三の矢で経済の建て直しを図ることには失敗。大きな借金を残した罪もあります。