ドイツ高級車大手BMWグループ傘下のデザインワークスを率いるホルガー・ハンプフ氏は、高速道路を疾走する車の音を背中に聞きながらハンドルを切り、サービスエリアに入った。そこで停車して電話会議を始めた。「しゃべっていると運転に集中できない」とハンプフ氏は言う。同氏がトップを務めるデザインワークスは、グループ内で「未来の設計者」として知られる。同氏はこの一時停車は偶然にも、将来どのような変化が起きるかを如実に示していると言う。いずれクルマが自律走行する日が来れば、企業の経営幹部は車内でオフィスさながらにくつろいで仕事ができるようになるだろう。自動運転車が現実に近づくにつれ、人間が車を運転する必要がなくなった場合、車内で実際にどんなことを行うのかを、自動車の設計者やテクノロジー企業はより具体的に考え始めている。クルマを仕事にどう使うか、もその一つだ。
自動運転車「走るオフィス」に 変わる仕事の未来
BMWやアウディ、ボルボが構想する働くスペースとしてのクルマ
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