スイーツでファミリー層を呼び込み稼働率アップ!
同時に「引き算」も行っている
まず、シャトレーゼホテルとはどのようなものかを理解するために、長野駅から徒歩5分のところにあるシャトレーゼホテル長野についてご紹介したいと思います。
このホテルは、2022年9月まではメルパルク長野でした。もともと日本郵政グループのホテル事業でしたが、メルパルク全体を民営化後にワタベウェディングへ売却。そのうち長野のホテルをシャトレーゼが買収して、2023年7月にリニューアルオープンさせたものです。
シャトレーゼホテル長野では、15時~17時45分の間にチェックインするとウエルカムケーキとしてシャトレーゼのケーキをドリンク付きで食べることができます。さらに滞在中は、ホテルに2カ所あるアイスバーで好きなアイスバーが食べ放題。そして朝食のバイキングでも、店舗と同じ大きさのシャトレーゼのケーキが提供されます。
旅行サイトで見ると2人で宿泊する場合、朝食付きで一人7000円近辺が最安値となっています。今年4月には現在改装中の1階にシャトレーゼの店舗が開店する予定なので、そうなればお菓子好きにはたまらない宿泊施設になりそうです。
後述するように11のホテルはサービス内容が微妙に異なることもあるのですが、チェックイン時にウエルカムケーキが楽しめて、滞在中はアイスが食べ放題というサービスが滞在客に刺さっている様子です。
そのおかげで、シャトレーゼホテルになってからは家族客が増加したといいます。ホテル再生の方程式としては、これまでの固定客層に加えて新たにシャトレーゼのスイーツ好きな家族客が加わった分、稼働率が上がり、ホテル経営としては増収となり、黒字化しやすくなったというのが基本図式のようです。
ただ当然ですが、ホテル再生というのは簡単な仕事ではありません。前のオーナーがホテル業をやっていてうまくいかず、新しいオーナーはそれにお菓子事業を加えたらうまくいくというようなシンプルな話であれば、皆がそれをまねするはずです。
シャトレーゼホテルの場合、ホテル再生にはそのような足し算だけでなく、引き算もきちんと行っている様子です。