年齢別 RQR法の使用例
・0~2歳への声かけ
この頃の子どもは、クエスチョンを投げかけても「わからない」と答えることが多いので、リピートを重点的にしてあげて、自分の感情と行動がどのように関連しているかを認識させてあげてください。そして、最後にちょっとしたリクエストを伝えてあげましょう。
2歳くらいの子が、ぐちゃぐちゃになった折り紙を持って泣いているとします。おそらく折り紙がうまくできなかったのでしょう。
まずは「折り紙が上手にできなかったのね」とリピートします。感情が少しおさまると、子どもは「○○を作りたかったのに、うまくできなかった」などと返してくれます。「そう。○○が作りたかったのね」と再度リピートしてあげて、その後にリクエストをします。「そういうときはママ・パパに『一緒にやって』って言ってもいいのよ。『手伝って』でもいいし、『代わりに作って』でもいいのよ。どれにする?」と選ばせてあげるのもいいですね。
・3~6歳への声かけ
子どもがテーブルに牛乳をこぼしてしまったとします。「何してるの、すぐ拭きなさい!」と叱るのではなく、「片手で持ったらこぼしちゃったね」 (リピート)と言ってあげましょう。すると子どもは「片手で持ったからこぼしたんだ」と認識できます。
「これからどうしようか?」 (クエスチョン)と言ってあげると、「きれいにする」と言う子もいます。泣いて「わかんない」と言う子には「きちんと拭けばいいのよ」(リクエスト)と教えてあげれば、こぼしたら拭き取ればいいことがわかるようになります。
頭ごなしに叱って「あなたが悪い」ということを伝えるより、「失敗しないためにはこうしたらいいんだよ」「誰でも失敗することはあるんだから、もし失敗してもこうしたらいいよね」 ということを伝えてあげましょう。
・7~12歳への声かけ
小学5年生の子どもが野球の練習から帰ってきて、「お母さんおなかすいた」と言ってきたとします。そこで「そこにおやつあるわよ」と返すと会話は終わってしまいます。もっと、自分の意見を伝えてお願いすることを促す会話を心がけてください。
「お母さんおなかすいた」「そう。おなかすいたのね」「今日は練習でたくさん走ったからさ」「そう。たくさん動いたの。それじゃあおなかすくわよね」と、リピート形式で続けていきます。ここまでくれば、子どもは「何か食べるものある?」と聞いてくるはずです。ここで初めて「あるわよ」と答え、「食べていい?」と聞いてきたら「どうぞ」と返してあげましょう。
子どもがまだ話していないうちに、親が察知して先に行動してしまうと、自分で考える力がつきません。リピートやクエスチョンをしっかりしたうえでリクエストをしてあげると、自分の意見をはっきり主張する力が伸びます。