田舎にある不動産が
相続トラブルになる4つの事例

「ひょっとして自分も、将来は家族の相続トラブルに直面するかも…」

 そう感じたら、相続トラブルに直面しないためにも、家族が元気なうちからコツコツと相続対策を進めることが重要だ。そこで、まずは知っておきたい田舎の不動産を巡る相続トラブル事例を紹介する。ご自身も該当していないか、事例を参考に実家を確認してみてほしい。

(1)実家が同居を想定し、土地を買い増していた
 就職や結婚をしていても、「将来は実家に帰るかも」と田舎の両親に話していないだろうか。いずれは孫も含めて穏やかな暮らしを…と夢見ている実家側の家族が、将来の同居を想定して土地を買い増してしまい、相続時には想像以上の不動産の存在が判明することがある。

(2)勝手にリフォームをされていた
 将来の同居を夢見る家族の判断で、知らない間に改築・増築していたことが判明することも案外多い。リフォーム費用に財産を使っており、将来住む予定がないのに、豪華で大きな住まいだけが残されてしまうことがある。

(3)相続登記されていない土地の判明
 地方でも過疎エリアの場合、相続されていないまま(先代や先々代の名前のまま)となっている土地が判明することも。相続の際に初めて、先ほど紹介した事例のように大勢の相続人と共有状態となってしまっていることを知り、「一体どうしたらいいんだ…」と頭を悩ませる人も少なくない。

(4)売れない不動産が多く、相続税納付に苦悩する
 相続税が発生する場合、納付のために現金を用意する必要がある。たくさんの不動産を持っていても、売れなければ相続人自身で納付のための資金を用意する必要があり、「こんなことなら、生前から少しずつ不動産を処分すれば良かった」というケースも多い。