トラブルを防ぐために
生前から行うべき2つの対策
田舎の両親が所有する不動産が「負動産」で処分に困ってしまった…というトラブルを防ぐためにも、円満な相続に向けて生前から対策を始めるべきだろう。
では、今からでもやっておくべき相続対策とはどのようなものだろうか。誰でもできる、簡単な対策方法を2つ紹介する。
(1)実家には定期的に帰り、今後の生活の話し合いを進めよう
将来は実家に帰るかも、でも子どもの進学もあるし…、と悩んでいるうちに家族が亡くなり、相続が開始されることは珍しくない。定期的に実家には帰り、将来どのように田舎にある財産を承継していくべきか、話し合いを重ねていくことがおすすめだ。
すぐには方針が決まらなくても、早くから行動を開始することで思わぬ処分方法が見つかることも。意外にも隣人が買い取ってくれたり、再開発の波に乗り、上手に処分できたりすることもあるため、まずは早めの話し合いを心掛けよう。
(2)どこに、どのような財産があるのかヒアリングをしよう
家族が高齢化すると、認知症が始まったり、ケガなどをきっかけに入院したりなどで、一体どこに、どのような財産があるのかわからない状態に陥ってしまうことも少なくない。
遺言書があれば、相続の開始後は財産目録の存在によりスムーズに手続きが可能だが、まだまだ元気な家族に、「相続に備えて遺言書を残してほしい」とは言いにくいもの。
そこで、少しずつ家族が所有している財産をヒアリングすることが重要だ。財産目録のようにリスト化し、家族全員で共有していくこともおすすめ。
また、家族が管理しきれていない財産がある場合、管理方法を子の世代がアドバイスすることで、休眠口座の発生や不正アクセスの防止も可能だ。将来相続する財産の全容を早くからつかんでいれば、相続税に備えて資金の準備もできる。
家族で膝を突き合わせ、明るい相続を目指そう。