今年4月から始まる
相続登記の義務化にも要注意

 今年4月1日からは、民法と不動産登記法等の改正法施行により、これまで義務ではなかった不動産相続登記が義務化されることも知っておきたいところ。これにより、冒頭に触れた空き家問題のようなトラブルも起きにくくなるだろう。

 相続登記の義務化の概要は以下の通りだ。

(1)相続(遺言も含む)によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請が必要。

(2)遺産分割が成立した場合、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記が必要。

 なお、正当な理由なく相続登記をしないまま放置すると、10万円以下の過料の適用対象となる。既に過去にやっておくべき相続登記がなされず、頭を抱えている不動産がある場合は、専門家に相談することがおすすめだ。

 今回は「亡父が残した田舎の負動産」をテーマに、相続トラブルの事例や対策を紹介した。田舎にある不動産は、相続時に「負動産」として重い負担となる可能性が高い。早くから財産の全容を把握し、相続時に「こんなはずじゃなかった」と悩まないためにも、少しずつ相続対策を進めることが肝心だ。

 また、相続税の発生が予想される場合、納付期限は「相続の開始を知った日の翌日から10カ月以内」であることにも注意が必要。納付資金調達のため、不動産の売却を検討している場合、相続開始後に手続きを始めたのでは間に合わないことも多い。早めに不動産に強い税理士に相談することをおすすめする。