三菱ケミカル社長「事実上解任」で経営陣大刷新!唯一生き残った田辺三菱製薬トップの問題点Photo:Diamond
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 そのお別れはあまりにあっけなかった──。

 昨年12月に三菱ケミカルグループトップを実質的に解任されたジョンマーク・ギルソン社長は2月6日にあった同社決算レクの冒頭、オンラインで出席し、自らの“功績”について滔々と述べ、日本のメディアの前から去った。

 約7分半。それが自説開陳に費やした時間である。曰く、懸案の石油化学(石化)事業が粘りを見せ今年度は黒字化できそうなこと、ヘルスケア事業では日米で成長を遂げたこと等々。共通するのは、就任以来、積み重ねてきたコスト削減の成果だということ。通期で全社コスト削減目標を20億円超過する820億円という数字を24年3月期第3四半期までに達成できたことを誇らしげに語った。

 社内外から失笑を買ったのが、社員の満足度調査の結果を自信満々に披露したことだ。「17項目のうち、16項目でアップした」と胸を張るが、ギルソン社長の就任以降、人材流出が続いたことは筑本学次期社長も認めている。「嫌気がさした社員は皆辞めて、イエスマンしか残っていないのでは」と三菱ケミカルグループを長くみている記者の評はけだし名言である。