共和党予備選で勝利した
トランプ氏の致命的な弱点
2024年大統領選の共和党予備選でトランプ氏は初戦のアイオワ州から8連勝し、ワシントンDCでヘイリー元国連大使に敗れたものの、最大のヤマ場「スーパーチューズデー」で15州のうち14州で勝利。唯一の対立候補だったヘイリー氏を撤退に追い込み、党の指名を確実にした。
この勢いそのままにトランプ氏は11月の本選に向けた主要な世論調査でも、バイデン大統領に支持率で2~5ポイントの差をつけてリードしている。
バイデン大統領は高齢の不安や高インフレ率、移民政策などに対する国民の不満もあって不人気ぶりが際立っているが、トランプ氏ははたしてこのまま優位を保ち、11月の本選で勝利するのだろうか。
答えは「ノー」だ。なぜなら本選と予備選の有権者は大きく異なるからである。
トランプ氏はコアな支持者の票はしっかりつかんでいるが、それだけでは不十分だ。本選で勝つためには共和党の穏健派と無党派層の支持が必要だが、移民や外交政策などで保守派が好む強硬姿勢を貫いているトランプ氏は、彼らの支持を十分に獲得できていない。それはトランプ氏にとって致命的な弱点となる可能性がある。