情報編集のスキルを身に付ければ、情報がビジネスの武器になる
生まれ持ったセンスがなくても情報編集のスキルは磨ける

「プレゼンがうまい」「雑談力がある」と言われる人に共通する「情報編集」のスキルが、これからのビジネスパーソンにとって欠かせぬ力になっていく

――雑誌の編集者は情報を集めて整理し、自分なりの分析や見解を加えながら記事を作ります。つまり、必ず、情報のアウトプットがゴールにあるので、おのずと情報編集のスキルが鍛えられそうですが、他業種の人が情報編集のスキルを身に付けたいと思ったとき、何かできることはありますか?

田中 今の時代、意識しなくても、情報は毎日入ってくるので、アウトプットの機会を設けるといいでしょう。たとえば、手持ちの情報の中から自分のビジネスや業務のヒントになりそうな気づき・学びを、毎日、少しずつでもいいので、手帳などに書き出す。これだけでも簡易的なアウトプットになるので、続けていくうちにその人なりのフィルターができ、情報編集の力も身に付いていくのではないでしょうか。

――情報編集というと、もともと持っているセンスのようなものもかかわってくるイメージですが、どんな人でも身に付けられるものですか?

田中 情報編集の過程は、情報収集(インプット)、抽出・整理、分析・加工、そして発信(アウトプット)という流れですが、いずれもセンスがないとできない、という類いのものではありません。もちろん、情報収集にはコツがあるし、その情報から何をどう切り出してアウトプットにつなげていくか、という部分にもテクニックはあります。が、それらは繰り返しやっていくことで身に付けられるものです。私自身、インプットとアウトプットを1000本ノックのようにひたすら繰り返したことで、半ば強制的に鍛えられました。

『週刊ダイヤモンド』編集部にいたとき、若い部下が企業取材をしていて、なかなか、担当している取材先に相手にしてもらえず、情報を集められない、と悩んでいたことがあります。そのとき私は、とにかくそれらの企業に足繁く通うようにアドバイスしました。まずは取材相手に心を開いてもらう必要があり、それにはこちらの真摯な取材姿勢を見せるべきだからです。そこから、その部下は地道な企業訪問を続け、やがて、足を運ぶたびにいいネタを取ってくるようになり、斬新な企画もたくさん出すようになりました。私がしたのは最初のアドバイスだけで、途中からは勝手に育ったという感じですが、やはり、繰り返しドアをノックしに行ったことに意味があったのだと思います。