新商品らしい「黒酢あんかけ、竜田うどん」に挑戦したのも前述のベテランアナです。八木さん「うどんもちもち あんかけとろとろ」、羽鳥さん「美味しいお出汁がからむ 立田揚げが さくさくいい音だ」。
それくらいは画像を見ていてもわかるのですが、2人とも実は一口か二口しか食べていないようにしか見えません。料理の味は完食したあとにわかるもの。せめて、完食したように見せる処理はできなかったのでしょうか。他の店をたくさん紹介したいらしく、忙しく動き回るだけ。そして、手土産担当のシュウペイさんは、プリンを食べて「うん濃厚 うまぺいちゃーん」。
フジテレビ系の『ぶらぶらサタデー』(3月9日放送)は「有吉くんの正直さんぽ」。松陰神社前の「亜細亜食堂 サイゴン」というエスニック料理店を訪ねて「バインクオン」なるベトナムの朝食に生野陽子アナが挑戦。「プルプルね いい香り うん美味しい」。
「コムガー」(チキンライス)→有吉さん「うーん なるほど ああ美味しい スパイスあってる」。
「カレー」→井戸田潤さん「チーズがあってる マロヤカー おいしい」。
一応、ナレーションで料理の内容を説明しているものの、「美味しい」以外にほとんど言葉がありません。台本がないと、タレントはこんなに語彙が少ないものなのでしょうか。有吉さんのこのコーナーは長寿番組です。もう少しプロ意識で食レポに挑戦してほしいと思います。
気を遣わなくてはいけないのはわかる
しかし「うまい」だけでは……
これ以外にも、麒麟・川島明さんのTBS系『ベスコングルメ』は、目的地の店まで、かなり歩いてお腹を空かせてから食べるという趣向は面白いのですが、コメントは同様。両国のトンカツ屋にたどりついたものの、ゲストの佐々木蔵之介さんは、長時間歩いてありついた両国のトンカツに「うまい」と発音もできず「うひゃまい」と口走る始末。
テレビで扱う以上、お店のものをけなせないのはわかるし、出演者の皆さんがかなり気を遣って話しているのも理解できます。しかしすべて「うまい」では、視聴者はなんの判断もできません。しかも「インスタ映え」がいいものを選ぶので、実際に食べたら、食べにくいことこの上ない食材が多すぎる。こんな番組を見て育つと、日本人の味覚も語彙も低下するばかりです。