セブンもスタバも値上げ!日本のコーヒーは「高くてマズい」飲み物になってしまうのか?Photo:Diamond

コーヒー豆の価格高騰に伴い、スターバックスやセブン-イレブンがコーヒーの価格をあげたことが話題です。しかし、この話、価格が上がるだけでは済まないかもしれません。コーヒーを取り巻く事情を探るとコーヒー党にとって「価格高騰よりも怖い未来」が見えてきたのです。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

コーヒー不作でスタバもセブンも値上げ!
価格上昇は一時的ではない

 多くのコーヒー好きな読者の皆さんには悪いニュースだと思います。コーヒー豆の国際価格が最高値圏で取引され、それに伴いコーヒーの値上げも相次いでいます。

 スターバックスは2月15日にコーヒーの値上げを決定し、トールサイズのドリップコーヒーの価格をそれまでの355円から382円へと8%引き上げました。セブン-イレブンではホットのレギュラーサイズが3月4日から120円と10円の値上げになりました。ネスレ日本は5月1日から「ネスカフェエクセラ」200g入りの希望小売価格を1617円と25%値上げします。

 国際価格の高騰の原因は天候不順です。昨年のエルニーニョ現象によって気温が上がり、東南アジアでコーヒー豆が不作となりました。実は一昨年も記録的不作だったので、2年連続して生産量は大きく減少しています。

 実はこの不作の影響で安価なコーヒー向けのロブスタ種の価格が高騰しています。昨年初はトンあたり2300ドル近辺だったロブスタ種先物が、直近では3300ドル近辺と1.5倍ほどに値上がりしています。ロブスタ種最大の生産国であるベトナムのコーヒー農園がこの天候不順に直撃されたのです。

 それと比較してアラビカ種の先物は昨年初との比較では1.2倍程度ですが、それでも価格が上がっていることに変わりはありません。

 今週、日銀がマイナス金利解除を表明したばかりですが、その後の為替レートはむしろ円安に振れています。このトレンドが続けば大手メーカーや各チェーン店のコーヒーの値上げは一度きりではすまず、これから何度かの値上げが続く可能性もありそうです。

 さて、コーヒーの価格が上がるだけならまだ耐えられる話かもしれませんが、コーヒー党にとってはこの話はそれだけでは済まないかもしれません。

 実はコーヒーの価格上昇には天候不順と円安に加えて、長期的に気になるふたつの要因がこれから関係してきそうなのです。