日本の「ラーメン・即席麺」が世界的ブーム!中国、アジア各国も参戦“全麺対決”がアツい各国の即席ラーメンの取り扱いを増やすドイツの小売りチェーン「東方超市」(著者撮影、以下同)

本格ラーメンから即席麺、カップラーメンまで。日本人の“国民食”である「ラーメン」が、海の向こうで一大ブームを巻き起こしている。背景には日本が生んだサブカルチャーや、国の政策であるインバウンドがあるようだ。海外の売り場はアジア系ラーメンが入り乱れるが、流通チャネルを握る中国が大陸から食材を送り込むなど、新たな動きも出てきている。(ジャーナリスト 姫田小夏)

日本のサブカルが掘り起こすラーメン市場

「8番らーめんがアジア展開」「らーめん山頭火、ハーバードで行列」「吉野家、ラーメン店で欧州進出」――日本経済新聞に躍る「ラーメン」の見出しに目を奪われることが増えた。ニューヨークに拠点を置くマーケットリサーチビズによれば、専門店や小売りを含む世界のラーメン市場は、2023年に579億2000万米ドルに拡大した。10年後の2033年には941億米ドルに達することが見込まれているという。

 ドイツの日系ラーメン店で働く日本人女性の加藤里奈さん(仮名)は、現地のラーメン事情をこう語る。

「予約の電話はひっきりなしで、外気は0℃に近いというのに行列ができる。席ある?何分待つ?この調味料は何?――とにかくお客さんをさばくだけで毎日が大変です」

 この店の豚骨ラーメンは“プレミアム・ラーメン”として地元のホワイトカラーに支持され、カップルがディナーとして楽しむ光景も見られるという。ラーメン一杯の値段は日本円で2500円を下らない。

「先日も一人で来店して、スマホで『NARUTO』の動画を見ながら麺を食べているドイツ人男性がいました。『NARUTOを見ながら食べるラーメンは最高だよね』と声をかけると『そーなんだよ!』と笑ってました。ドイツのラーメンブームの背景には、日本のアニメやサブカルの貢献があるようです」(※アニメやコミックで世界中にファンを持つ『NARUTO -ナルト-』は主人公がラーメン好き)