仕事をしていると、自らの弱点について考える機会は多いが、自らの長所や強みについては意外とわからないもの。転職するときに役立つのは、仕事仲間や親しい友人の自分に関する言葉だったりするのだ。本稿は、鈴木おさむ『仕事の辞め方』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。
自分に合う仕事は自分では
意外とわからないもの
今の仕事を辞めたとして、次に何をするかということを沢山の人に聞かれます。
まず、自分の中で大事なのは「辞める」ことです。
辞めると決めて、次にやることを想像してみたのですが、なんだかぱっとしない。フィットしないというか。
そこで、自分がここ数年、一緒に仕事しているH君に聞いてみることにしました。
このH君、ベンチャー企業の社長をやっていたりして、30歳ですが経験は豊富。とてもクールな目線でものを見ることが出来ます。
彼と一緒に、仕事相手との会食があり、その後、H君と二人で飲みに行った時に、ふと聞いてみたくなったんです。
僕が今の仕事を辞めたとしたら、他に僕に向いてる仕事ってあるかなと。
H君はさらっと答えをくれました。
それは、この5年僕が今の仕事とは別にやっていたこと。僕の仕事全部を10だとすると、1にも満たないくらいですが、細々と、でも結構真剣にやっていること。
簡単に言うと、若き起業家たちの応援のようなことなんですが。
H君は重ねてさらっと言いました。「おさむさん、なんで本気でやらないのかなと思っていました」と。
自分の中でももっと本気でやってみたいと思っていたことで、確かに今の放送作家業を辞めたら、もっと本気で向き合えるし、若者たちも僕に「本気だな」と思うでしょう。
全ての点が線でつながった気がしました。
32年間やってきた今の仕事のノウハウや縁も生きる。今までやってきたことを「移植」出来るなと思ったんです。
後日、他の若い起業家たちにそのことを言ってみると、僕にめちゃくちゃ合ってると言います。
自分に合っている仕事は
自分では気づかない
自分に合ってる仕事って、意外と自分で気づかないものなんですよね。
これって、恋愛だと超あるあるではないですか?
自分に合う恋愛の相手って、近くにいる友達の方がわかっていたりする。自分の性格って自分ではなかなかわかってない。そして、その人の本当の性格、特にマイナス部分って友達だとしても言いにくいですよね。