会社でのストレスがたまり、とても辛そうにしている人ほど「辞める」という選択肢すら頭に浮かんでいない。

 そういうものなんですよね。辞めてはいけないものだとしてその選択肢を外してしまいます。

明るくライトに
「辞める」と言おう

 僕は「仕事を辞める」という選択肢を思いついてからやったことがあります。「辞めるという思いつきを人に話す」ということです。

 僕が辞めると言ったらどんな反応をするんだろうという興味もあったので。

 この時大事なのは、ネガティブな雰囲気ではなく、なるべく明るくライトに言うこと。

 その時に「人生一回だってことにあらためて気づいたんだよね」という言葉を入れました。

 この言葉には人は逆らえませんし、「人生一回だから好きなことは今のうちにやらなきゃ」「我慢せずに生きなきゃ」となるわけですね。

 ポジティブに辞めるという選択肢が頭に浮かんだことを、伝えられるんです。

 明るく伝えたことで冗談かなと思っていた人がほとんどでしょう。でも、それでいいんです。

 そこから、仕事で距離の近い人とお酒を飲んだ時なんかに、なるべくこの「思いつき」を言うようにしたのです。50歳を目の前にして、辞めるという選択肢が浮かんだということを、明るく話すのです。

 そうすると聞いた方は「え~」と驚きながらも「でも、本気じゃないだろうな」くらいに思います。

 僕はこのことを思いついた時に言うことは「付箋を貼る」ような行動だと思っていて、最終的に辞めるにしても辞めないにしても、思いついた時になるべくライトに伝えておくことはとても大事だと思ったのです。

 これは恋愛でも大事です。急にフラれるよりも、なんとなく予感がしてた方が諦めがつきます。

 そして、基本、人は誰かに喋ります。自分が辞めるという選択肢を持っていることを知人に話しておけば、その知人がほぼほぼどこかで話して別の人に伝わるものです。ただ、この段階で伝わっても、深刻さはないから大丈夫です。