【中国企業ロゴ問題】日本企業に潜む「中国スパイ」驚愕の実態Photo:PIXTA

内閣府の会議で共有された資料に中国の国営企業のロゴが入っていたことが問題となっている。元公安部外事課で他国のスパイと対峙し、諜報事情に詳しい勝丸円覚氏は「ここまで入り込まれていたとは」と驚きを隠さない。経済安全保障上の問題が絶えない現状を分析してもらった。また、日本の政治やビジネスに潜伏している中国スパイについて、驚きの実態を語ってもらった。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部)

「中国国営企業ロゴ問題」
インテリジェンス界隈に衝撃

 再生可能エネルギーに関する内閣府の会議で共有された資料に中国の国営企業「中国電網公司」のロゴが入っていたことが問題視されています(NHK 2024年3月27日)。これによって、エネルギー政策という国家の根幹に関わる議論をする場に、中国の影響力が及んでいた疑惑が浮上しています。

 この資料は、公益財団法人「自然エネルギー財団」の大林ミカ事業局長によって提出されたものだが、本人は「財団と中国企業・政府の金銭的、資本的、人的関係はない」(産経新聞 2024年3月27日)と中国の影響を受けたことを否定しています。

 大林氏をタスクフォースのメンバーとして推薦した河野太郎大臣は、事務的なミスが生じたことを謝罪しました。しかし、ロゴが掲示されるような資料が用いられたこと自体が問題なのであって、ロゴが事務的なミスで入ったかどうかは問題ではありません。私が身を置くインテリジェンスの世界では、ここまで入り込まれていたのかという衝撃が広がっています。