定年後に再雇用を拒否されることもあるの?

 定年年齢が60歳の会社でも希望すれば65歳までは働くことができるわけですが、会社から再雇用を拒否される場合もあるのでしょうか?

 高年齢者雇用安定法が2013年4月1日に改正される前まで、企業は再雇用の対象とする従業員を事前に定めた基準で選別することが許されていました。改正前の法律に基づいて、再雇用対象者の選別基準を労使協定で定めていた企業においては、経過措置により2025年3月31日までその基準を適用することができます。そのため、基準に合致しなければ再雇用が認められない場合もあり得るのです。ただし、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢以上の人に限られます。

 これ以外に、会社が定年後の再雇用拒否について、適法となるケースがあります。それは、解雇事由または退職事由(年齢に係るものを除く)に該当する場合。法律上、解雇はよほどの事情がないと認められないため、「正当な解雇事由」とは相当ハードルが高いものになりますが、該当する場合、企業は再雇用拒否も可能になります。

 定年後の再雇用にあたっては、定年前と同じ労働条件を義務付けているわけではないため、会社が提示する合理的な労働条件が受け入れられず従業員が拒否した場合、継続雇用されないことは違法ではありません。

定年以降の継続雇用、希望しても認められないこともある。定年以降の継続雇用、希望しても認められないこともある。 拡大画像表示
【10秒チェック!】原則としては希望すれば65歳まで働くことができますが、場合によっては再雇用されないケースがあることも覚えておきましょう。再雇用しないことができる事由については、事前に就業規則で確認しておきましょう。