ナチス・ドイツから世界を救った男が、空爆にさらされても「笑顔」でいた理由Photo:PIXTA

「適度な運動習慣」「冗談を言って明るく笑う」「誰に対してもありがとうを言う」。これが、くじけない人の共通点とされる。人気心理カウンセラーが伝授する、あなたの人生を豊かにする「くじけない心」をつくる方法とは?※本稿は、植西 聰著『くじけない心のつくりかた』(あさ出版)の一部を抜粋・編集したものです。

体を動かす習慣で「くじけない心」が育つ
「急がば回れ、運動になるから」を実践

「くじけない心」をつくる方法の一つに、「適度な運動習慣を持つ」ということが挙げられます。

 適度な運動は、体の健康にいいばかりではなく、精神面にもいい影響を与えます。

 適度な運動をすると、脳内で「エンドルフィン」というホルモンの分泌量が増えることが知られています。

 このエンドルフィンは別名、「快感ホルモン」とも呼ばれているのですが、脳の中でこのエンドルフィンというホルモンの分泌が盛んになると、気持ちが明るくなり、何事にも積極的に取り組もうという意欲が増すのです。

 また、適度な運動をすると、体内で、ストレスホルモンであるコルチゾールやアドレナリンの量が減ることが知られています。

 つまり、運動は、ストレス解消に役立つというわけです。

 ストレスが解消されれば、やはり、気持ちが落ち着き、前向きな考え方ができるようになります。

 したがって、日頃から適度な運動をする習慣を持っておくことで、ちょっとした困難に直面したとしても、それに対して落ち着いて対処できるようになります。

 また、困難を前向きな気持ちで乗り越えていけるようになります。

「運動をしたいと思うが、時間がない」という人もいるかもしれません。

 しかし、日常生活の中でウォーキングしたり、あるいは、エスカレーターを使わないで階段を上ったりする習慣を持つだけでも、いい効果が得られます。

 意識して体を動かすことが大切なのです。

<くじけない心をつくるポイント>
一日わずかな時間でもいいから、体を動かす習慣を持つ。

「急がば回れ」ということわざがあります。

「あわてて、急いで、物事を成し遂げようとするよりも、少し遠回りしていくほうがいい。そのほうが、結果的に、自分に得になることも多い」という意味を表しています。

 このことわざに「運動になるから」という言葉をつけ加えて、「急がば回れ、運動になるから」という言い方があるようです。

 これは昔から伝わることわざではなく、「適度な運動習慣を持とう」という、標語としての言葉です。

 たとえば、ある地点まで行くことになったとします。

 その地点に行くには、バスを使うともっとも早く着くのですが、あえて歩いていきます。

 時間はかかりますが、あえて歩くのです。

 これが「急がば回れ」です。

 歩いていくことによって、いい運動になります。