自分が悪いと思っていないから、同じミスを何度でも繰り返す
「ええ。もちろんこれまでの新人も1回や2回教えただけで完璧に吸収できたわけではないですよ。また間違えることもありましたし、効率の悪いやり方をしてしまうこともありました。でも、それを指摘したときの反応が違うんです。これまでの新人は、『あっ、そうでした。うっかりしてました』『すみません。これから気をつけます』っていう感じで、わかってもらえた、これで改善されるだろう、って思えたんです。でも、今回の新人は、そういう手ごたえがないんです」
『注意したり教えたりしても、こっちの言うことをわかってもらえたという手ごたえがない、だから改善されるだろうと思えない』
「そうなんです。自分のやり方がよくないということを深く受け止めてくれないんです。それで、また間違ったやり方や効率の悪いやり方を平気でするんです。一緒に仕事をしている人たちから、いくら言っても直らない、どうにかしてほしいと言われ、これははっきり言わないとダメだと思って、本人にはっきり言ったんです。教えたやり方が身についておらず、間違ったやり方や効率の悪いやり方を繰り返して周囲の人たちに迷惑をかけてるから、何とか改善するように、って」
『こっちの言うことが染み込まないタイプだから、遠慮せずにはっきり言うことにした、っていうわけですね』
「そうです。ところがですよ、自分が間違ったやり方や効率の悪いやり方をしているのを認めないんですよ。ちゃんとできているはずだ、って言うんです。しつこく言っても、『それは間違えることもありますけど、先輩たちだって間違えることもあるでしょうし、だれでもそうじゃないでしょうか』なんて言って、自分がお荷物になっていることにまったく気づいていないんです。これには参りました」