住宅性能も格段に上がっている
ちなみに私はこの計算式は今となっては、いくばくかゆとりがありすぎる節があると思っています。最後に確認できる資料としては、平成18年(2006年)に制定されたものであり、そこから20年弱の月日が経っています。その期間で、住宅性能は進歩し、同じ平米数であっても、暮らし心地も大きく向上しています。
たとえば、昔の間取りと今の間取りを比較すると、
① 廊下面積や柱をはじめとした、無駄面積が減った間取りを作れるようになった
② タンクレストイレや薄型・壁掛けテレビといった家電類の進歩
といった点で、同じ表記面積でも新しい物件ほど生活有効面積が増えてきているのはたしかです。
また、昔に比べて居室(寝室)の広さを減らし、リビングを広くするという「リビ充」(リビング充実の略。今はスマートフォンによって、リビングにいてもそれぞれ自分の時間が楽しめるようになったという時代背景もある)間取りが人気なこともあり、同じ面積であっても豊かに暮らせるようになってきています。
とはいえ、家は広いに越したことはないと思います。全員が生活面積ピッタリの家を買うべし、とは私は考えません。もちろん資金の余裕があればもっと広い家を買えます。
ただ、多くの場合は予算の制限がある買い物ゆえ、「無駄な希望面積」を追い求めず、利便性を損ねないようにしていくのが理想です。将来狭くなったら、買い替えればいいのです。もちろんそうなりにくいようにライフプランを立てるべきですが、すべてが計画通りにいくとは限りません。
そのため、将来売りやすい・貸しやすい家、すなわち資産性の高い家を選ぶべき、と主張する理由はここにもあります。