「算数・数学が嫌い」と答えた方のコメントを見ていると、どの時点から嫌いになった人も共通して「不得手な分野が出てきたことで嫌いになった」という方が多いことに気づきます。

 中には、「わからない分野が段々と増えていき、処理するスピードが追いつかなかった」という方も……。

 また、「算数・数学を学ぶ意義を見出せない」「算数・数学が何のために存在するのかわからない」という理由から、モチベーションを失ってしまった方も多く見られました。

算数が好きだった子どもは、
数学を好きであり続ける

 反対に、好きな人はいつから好きになったのでしょうか?

 14%が「小学校入学以前から」、46%が「小学校の頃から」で、半数を超える60%が「中学に入る前から算数が好き」と回答しています。

 つまり、「数学」になる前の「算数」の時代から好きだった子が、その後もずっと好きでいる、という状態です。

P18 グラフ同書より 拡大画像表示

 では、どんなきっかけで好きになったのか?理由を見てみましょう。

〈小学校以前からの人〉
●1÷2、3-4など、幼稚園や小学校低学年の頃に学校で教わらないことを親と話しているうちに好きになった(27歳、社会人)。

●幼稚園のときからパズル的要素のゲームが好きだった。将棋もその頃からしていた(25~29歳、社会人)。

●数字が好きでした。なんでも数えて、並べて、遊んでましたね(55~59歳、社会人)。

〈小学生の頃からの人〉
●学校の作図の授業で、解けた人はどんどん難しい問題に取り組ませてくれたのがとても楽しかった(48歳、社会人)。

●父親と、「ピラミッドを作るための必要なレンガ数は?」という問いを一緒に考えてから(25~29歳、社会人)。

●中学受験勉強でテストの解き直しで、わからなかった問題がわかったときの爽快感から好きになった(20~24歳、大学院生)。

〈中学生の頃からの人〉
●塾の先生の説明がわかりやすく、テストでどんどん点が取れるようになったから(19歳、大学生)。

●中学2年生の頃、数学の先生が授業内で軽く虚数について触れ、複素数を調べていき、ロマンを感じた(15~19歳、高校生)。

●中学のとき、数学とは別に数学パズルや大学入試レベルの問題を中学の知識で解くような授業があり、頭をフル回転させて解く感覚が好きだった(20~24歳、大学・短大・専門学生)。