たとえば、SNSにはこんな投稿がされ始めました(原文ママ)
「ちゅ~る食べる様子は可愛いのですが、獣医さんから腎臓を悪くするので与えてはいけないと言われました。ずっと健康でいて欲しいので与えるのをやめました」
「実際ちゅーる舐めてみた事あるけど、人間でもかなり塩分強いと感じたな。腎臓を酷使する生き物には向いてないかもねぇ。おかしなもの入ってないか?ってぐらい食いつく子もおるもんな」
「今更だけどいなば食品の件、総合職採用謳っておきながら勝手に一般職採用にしてボロ屋に入寮させようとして炎上、辞めた人全員女性って明らかな女性差別でしょ。男性は同じ採用試験受けてたのに誰も総合職から漏れなかったってことだよね?」
実は、私の妻も超愛犬家であり、Wanちゅ~るを愛犬の日々のおやつにしています。妻はペットフードには相当気を遣う人で、原材料や消費期限など厳しく選別した上で「いなばのペットフード」を愛用していました。しかし、人間をこれほど雑に扱う会社が、本当にペットに対して愛情深い商品をつくれるのでしょうか。妻も「昔は添加物などをきちんと調べて買っていたけれど、もう一度点検してみる」と言い出しました。食品の表示を調べてみたら嘘だったということもありえます。そう疑われても仕方がない騒動だったのです。
「ちゅ~る神話」が崩壊?
消費者の厳しいチェックが始まる
調べてみると、実際に多くの獣医が「ちゅ~るには増粘剤などの成分が含まれているため、多量に与えるとペットの健康に悪い」という趣旨のコメントを発信しています。これから消費者によって、原材料の安全性や消費期限の適正表示などについて、厳しいチェックが始まるでしょう。
さて、ならば、いなば食品はどうすべきなのか。冒頭で述べたように、いなば食品側に立って解決策を考えてみましょう。
私は危機管理の専門家ではありませんが、リクルート事件当時、リクルートの「裏広報」として文春と戦い、後によきアドバイザーとなった田中辰巳さんの「危機管理の法則」を、参考までに述べようと思います。田中さんはリクルートから独立後、「リスクヘッジ」という日本で最初の危機管理会社を創設し、文春でも連載をしていただきました。文春は危機がくると、いつも彼のアドバイスによって生き延びてきたのです。彼の唱える危機管理のポイントは、次ページのようなものです。