那須町で起きた衝撃の事件。宝島龍太郎さんと妻の幸子さんを殺害し、遺体を河原で焼損させるなど、犯行を隠す様子が感じられない不可解な犯行が耳目を集めている。5月1日時点で容疑者4人が逮捕され、徐々に捜査が進展しているものの、未だ全容の解明には至っていない。この記事では、元公安警察の松丸俊彦さんが経験と取材に基づいて、この事件の全容に迫る。犯行の背後には何があるのか。事件について不可解な点と組織的な関与の可能性について考察した。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部)
事件についてわかっていること
宝島龍太郎さんと妻の幸子さんが殺害された後、遺体が那須町の河原でガソリンをかけられて燃やされたという事件です。
遺体損壊の容疑で逮捕された平山綾拳容疑者は、「アニキから頼まれた」と供述していることから、平山容疑者に犯行を指示した者が別にいる可能性があると見て警察も捜査しています。
今回は、元公安警察の立場から、過去の経験と取材に基づいて、今回の事件について不審に思う点を解説していきます。
4月29日には、指示役の佐々木光容疑者が逮捕され、5月1日未明に実行役2名が逮捕されるなど、事件の全容解明に向けて捜査が徐々に進んでいるところです。
宝島龍太郎さんは上野・御徒町エリアで14店舗の飲食店を経営しており、近隣店舗とのトラブルが続いたと言います(4月22日 FNNプライムオンライン)。現役の警察官に聞き取りをしたところ、宝島龍太郎さんと近隣店舗の客引きをめぐるトラブルは何度も110番通報が入っていたようで、報道の内容を裏付ける証言を得ました。また、警察関係者の間でも今回の事件の特異性を指摘する声が多数挙がっています。
まずは、元公安警察の立場から、那須町で起きた遺体焼損事件における不可解な点について解説します。