だが、東日本大震災で甚大な被害を受け、コロナ禍で売り上げが激減。会社存続の危機に。それを機に、5代目加藤多彦さんの次男、喬大(たかひろ)さんが広告代理店を辞めて入社。翌年、長男の雅大(まさひろ)さんが銀行から転職し、第二の創業と銘打って新製品開発に邁進。醸造アルコールを蒸留した「メイリの65%」は飲める消毒液として注目され、続く手指消毒液「MEIRIの消毒」も大ヒット。最高峰の日本酒を目指して3年かけ「雨下-uka-」を完成。特等米の山田錦にM310酵母、自然の重力で搾る「雫落とし製法」を採用し、クリアでリッチな凝縮感を実現。600ml3万3000円が即、完売した。地域に根差すよう蔵開きや蔵見学も開催し、60年ぶりにウイスキー事業を復活。兄弟の快進撃は続く。

新日本酒紀行「副将軍」大吟醸 副将軍
●明利酒類・茨城県水戸市元吉田町338●代表銘柄:副将軍、水府自慢、雨下-uka-、百年梅酒●杜氏:平山 尚●主要な米の品種:山田錦、美山錦、五百万石、ひたち錦
新日本酒紀行「副将軍」仕込み水 Photo by Yohko Yamamoto
新日本酒紀行「副将軍」酒母室 Photo by Yohko Yamamoto