「百人が一杯飲む酒より、一人が百杯飲みたくなる酒」を
三重県の赤目四十八滝は、山岳信仰の聖地で、奈良時代の修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)や伊賀忍者が修行した地。自然豊かな渓谷には、オオサンショウウオが生息し、環境省の「平成の名水百選」に選ばれた。この滝の近くで酒造りをするのが、「瀧自慢」を醸す瀧自慢酒造だ。仕込み水は滝の伏流水を用い、県産米を主に食に寄り添う酒を造る。蔵は、赤目口駅から四十八滝に向かう途中にあり、滝の行き帰りに寄る客も多いが、地元民でにぎわう。「百人が一杯飲む酒より、一人が百杯飲みたくなる酒」を目指し、「地元の人に毎日晩酌で飲んでもらっているのが、何よりの誇りです」と5代目の杉本龍哉さん。