ドライブモードの選択はなく、サウンドの演出もないあたりはボルボらしい。ワンペダルドライブも可能だが、その制御には物足りないという声もあると聞く。何段階か回生の強さが選べるなら、それに越したことはないが、個人的にはそれほど不満は感じなかった。
静粛性にも相当に配慮されていた。電気系の音はもちろん、風切り音やタイヤが発する音の侵入もよく抑えられていた。
ハンドリングの仕上がりも上々だ。車量はXC40比で240kg軽く、1.8tを下回っており、前軸重が840kg、後軸重が950kgとフロントが軽い。回頭性は軽やかで操舵したとおり正確にイメージしたラインをトレースしていける。直進安定性も高い。20インチの偏平タイヤにもかかわらず、乗り心地は悪くない。
559万円の価格は
実に戦略的で魅力的
先進運転支援装備は両側レーダーを採用した最新版。駐車支援機能は使いやすく、“ここまで来たか”と思ったほどだ。
2040年までにクライメートニュートラルな企業となるために、多岐にわたり取り組んでいるボルボにとって、EX30は非常に重要な位置づけとなる。何より商品自体の完成度が高く魅力的であったことを強調しておこう。559万円の価格は実に戦略的で魅力的だ。
(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一朗 写真/山上博也)