big stick diplomacy:
こん棒外交

20世紀初頭のルーズベルト大統領をまねるトランプ氏、帝国主義時代へ逆戻り?

 年明け早々にベネズエラの首都カラカスを攻撃し、同国のマドゥロ大統領を拘束したトランプ米大統領。第26代大統領セオドア・ルーズベルトをまねているのだろうか。

 在任中(1901~09年)にいわゆる「こん棒外交(big stick diplomacy)」を展開したルーズベルト。最初の舞台はやはりベネズエラだった。02年、ベネズエラが債務不履行に陥ると、英独伊の連合艦隊がベネズエラの海上封鎖に踏み切った。とりわけドイツが攻撃的な姿勢を見せ、「欧州列強が中南米の再植民地化(recolonization)に乗り出すのでは」との懸念も出てきた。

 再植民地化となればモンロー主義(Monroe Doctrine)は崩れ去ってしまう。第5代大統領ジェームズ・モンロー(在任1817~25年)が掲げた原則「新大陸と旧大陸の相互不可侵」に従えば、欧州列強は中南米・カリブ海地域に干渉してはならなかった。

 欧州列強に対するけん制として生まれたのがこん棒外交だ。米国による「警察権(police power)行使」を正当化する修正版モンロー主義であり、「ルーズベルト推論(Roosevelt Corollary)」とも呼ばれる。

 ルーズベルト自身は「穏やかに話し、手には大きなこん棒を持て(speak softly and carry a big stick)」と語っている。「外交交渉を尽くせ、軍事力をちらつかせながら」というメッセージを発し、「米国の裏庭である中南米・カリブ海地域を守るためには軍事行動も辞さない」との姿勢を明確にしたのだ。