立花氏は、「多くの有権者が下の名前はわからないと思うので、どさくさに紛れて石丸幸人氏にも票が入る」という旨のことを発言している。その狙いは、何票分になるかわからないがいくらかは成功するだろうから、都知事選を混沌とさせる一因となるだろう。

 選挙妨害の疑いで逮捕された、つばさの党の黒川容疑者も立候補予定である。逮捕・起訴後でも刑が確定していなければ立候補は可能だそうで、当初は50人の候補を擁立して都内中で選挙カーによって小池知事のネガキャンを行うとうそぶいていたが、資金面の問題から黒川容疑者に一本化する様子である。

 記憶に新しいつばさの党の選挙妨害について、世論は言論の自由に関する憲法解釈も絡んで一部で複雑な展開を見せているが、つばさの党の行為そのものについては多くの人が不支持・反対か、「しぶしぶ認めこそすれ積極的に支持しない」という姿勢であって、選挙法の改正や、妨害されようのない選挙活動展開(たとえばネットでの発信を主にして選挙カーを走らせない、街頭演説をしないなど)が期待・提案されている。

 ただ、欧米ではわりと過激な選挙妨害も当たり前に行われているので、これまでの日本の選挙の品行方正さ、悪く言うなら上っ面のお行儀の良さに「そもそもどうなの?」という疑問符が付けられている向きもあるのだが、筆者個人としては、上っ面だろうとお行儀がいいのは日本人の美徳だと考えているので、できればこの路線が維持されたらうれしい次第である。

ゲサラ法に全裸おむつ
色とりどりの泡沫候補

 そして都知事選を散らかっているように見せている最後の要因は、王道から外れた一風変わった主張を展開することで選挙戦に彩りを添えている泡沫候補であろうか。
 2021年千葉県知事選では過去最多となる新人8人が候補者として出揃い、「小池百合子氏と結婚」「県内新通貨”房(bou)構想」などの主張で世間を賑わわせたが、さすが首都東京というべきか、都知事選では現時点で26人が候補予定者である。