「ネサラゲサラ」都知事選で飛び出した謎の公約は陰謀論の一種?呪文のように人々の心に刺さったワケ「陰謀論」として扱われてきた「ネサラゲサラ」が表舞台に浮上してきたのはなぜか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

SNSの住人が色めきたった
「ネサラゲサラ」という謎の呪文

「ついにこの言葉が表舞台に出たか!」「これをきっかけにネサラゲサラのことを知る人が増えていって欲しい!」

 先日、SNSで一部の人たちが「ネサラゲサラ」というワードに色めきたった。7月7日に投開票が行われる東京都知事選挙のある候補者の口から、「ゲサラ」という響きが飛び出したからだ。

 ……という話を聞いても、ほとんどの人は何が何やらという話ではないか。「エロイムエッサイム的な呪文?」「オンラインゲームのキャラクターとかアイテムの話だろ?」とさまざまな憶測が飛び交ってしまうので、きっかけとなった「未来党」副代表である木宮みつき氏の言葉を引用させていただこう。

「未来党の主要な政策は、ゲサラ法という国際法に基づいています。ゲサラ法とは Global Economic Security and Recovery Act、世界経済安全保障改革法の略語です。国連加盟国200カ国以上が、1990年にオランダのハーグの国際司法裁判所において承認した国際法でございます」(5月21日 東京都知事選出馬表明会見)

 そんな国際法があるのは初耳だと驚かれた人も多いと思うが、それよりも驚くのはこのゲサラ法なるものの中身だ。木宮氏の言葉を続けよう。

「このゲサラ法は人類史始まって以来の徳政令と言われております。内容でございますが、ゲサラ法はすべての借金を帳消しにする。カードローン、教育ローン、国民が背負ったさまざまなローンが一瞬で消えてしまいます。それからほぼ無税国家になること。現在、日本にはおいて国民に課税されている40種類の税金があります。これを消費税以外すべてなくします」(同上)

 確かに「未来党」のパンフレットを見みてみると、《売上税(17%程度)に一本化して食料品・医薬品・中古品は非課税にします》というかなりダイナミックな政策が掲げられている。