息子が野球にのめりこんでいます

 7歳になる息子の野球の練習を手伝いに行きます。そこには、たくさんの子どもがいて、小さな体で一丁前に大人の仕草を真似しながらプレーしています。そんな姿が愛おしいです。バッターボックスに入る前に首をぐるりと回したり、ファールを打った後、なんとなく首を傾げてみたり。思わずふふっと笑いが込み上げてきます。

あばれる君、息子とロスへ行く!恐竜博物館で親子ゲンカが呼んだ「まさかの奇跡」とは?イラスト:和田ラヂヲ 拡大画像表示

 息子は最初、サッカーをやっていました。でも試合になるとボールの奪い合いに近づきません。外からその集団のまわりをぐるぐる回っているのです。人工衛星みたいです。僕は息子が、とりあえず参加しているフリをしようとしていることを見抜きました。毎試合、雰囲気で乗り切っているのです。

 なぜ見抜けたのか? 僕も似たようなことをやったことがあるからです。どうやら足捌きに自信がないらしく股抜きされたりするのが恥ずかしいようです。しかし、サッカー経験のない僕はうまくアドバイスできません。「一緒にセルジオ越後のYouTubeを見よう!」と言うのが限界でした。

 ためしに公園でキャッチボールをしてみました。がんばってボールを捕って投げ返してきます。僕は子どもとキャッチボールをするのが夢だったのでとても楽しい。息子もキャッキャと笑っています。キャッチボールをしながら、僕も中学は野球部に入っていたので息子に正しい投げ方を教えたり、松井秀喜の3打席連続ホームランの話をしたりしました。昔、巨人の助っ人外国人投手のガルベスが怒って審判にボールを投げた話もしました。ついでにガルベスの投げ方も教えました。

 サッカーも野球もどちらも偉大なスポーツだから、あとは息子に選んでもらうことにしました。結局息子には、野球があっていたようです。選手名鑑を見たり、テレビで試合を見たり、朝練に行ったり。今は、野球にのめりこんでいます。

 僕も親御さんたちと挨拶を交わして、子どもたちのために道具の準備や片付けをしていると、チームに溶け込めた感じがして心地がいい。そんなときに「ああ。俺も大人になったんだな」と思います。学校の窓ガラスに映る自分の頭頂部を見たときも思います。せっかくドリンクバーを頼んだのに、1、2杯しか飲まないときも思います。