いつも全力で、体を張って笑いをとりにいくあばれる君。そのがんばりの源は愛する奥様と2人の息子さんです。「牛のゲップを吸うロケがあっても、子どものため、家族のためと考えればかなり余裕でした」と語ります。そんなあばれる君が家族への愛情をストレートにつづったエッセイ『自分は、家族なしでは生きていけません。』を出版しました。本の中から、野球にのめりこんでいるという7歳の息子さんとの日常を紹介します。息子さんとふたりきりで訪れたロサンゼルスのドジャースタジアムでは、驚きのエピソードも…!
子どもの寝顔
地方ロケが多いため、比較的僕の朝は早いです。5時、6時起床を毎日乗り越えています。目を開けるのは辛いのですが、そこにはとっておきの光景もついてきます。もう少しで目を覚まして、朝を迎える子どもたちの寝顔です。
寝息を立てるその姿。抱きしめると使い切りカイロのように温かい身体。サラサラの髪の毛に鼻をつけると脳のシワとシワの間まで広がっていくような癒しの香り。何千年も前から親たちは子どもの寝顔を見てうっとりしてきたことでしょう。狩猟がメインだった昔の人間だって子どもの寝顔を見て、「よし、今日は絶対なんか狩って食わせてやっかんな」と意気込んでいたはずです。
今も目の前でプチプチ細胞分裂を続けるそのすべすべの肌を撫でるとホッとします。大袈裟かもしれませんが、肌を撫でるその瞬間は幸せな気持ちに満ちて、そのままカチッと時が止まってしまってもいいとさえ思います。でもまあ止まったら止まったで「うわあ。解除してほしいなあ。動きてえなあ」とも思うでしょう。
どうかこの子どもたちに、僕たちが育った自然と景色をそっくりそのまま受け渡せますように。
イラスト:和田ラヂヲ 拡大画像表示