50代、自分らしく働くためのマインドチェンジはなぜ必要?

 50代になれば「役職定年」や「定年退職」という現実がリアルに見え始めてきます。20代の頃は、高い収入や昇進などに仕事の価値を見い出す人が多い傾向にあります。一方50代にもなれば昔の部下が上司になるなど立場の変化があったり、待遇が一気に低下したりして、仕事に対するモチベーションが一番下がる時期とも言えます。

 逆に、ここをうまく乗り切ることができれば、新たな道が開けてきます。そのコツは、過去の栄光や地位に固執しないことです。うまくマインドチェンジできるかどうかが大きなカギとなります。周囲からいかに高く評価されるかという自分に向けていた価値基準を、人や社会に貢献するにはどうすべきか、ベクトルを外側に大きく変えてみてはどうでしょうか。

 年を取っても対人能力を高めることはできますし、学び直しによって自らの能力を高めることは無理な話ではありません。仕事において大事にしていた価値観を問い直し、不要なプライドは手放していくこと。いつまでも上り続けていくキャリアはありません。職業人生のある時点で方向を切り替えるのはむしろ自然なこと。マインドチェンジすることは、自分らしく働くためばかりでなく、定年後に幸せな生活を送るためにとても大事なことなのです。

ミニコラム:定年前から意識改革
 定年後に地域活動などに参加し、過去の肩書を伝えてみたところで、「すごいですね」と言われるのは一瞬だけ。特に、女性はそうした肩書にとらわれない傾向にあります。華々しい過去の栄光より、うまく話の輪に入っていけるコミュニケーション能力のほうがはるかに大事だったりします。定年前から仕事以外のコミュニティに参加してみることも、マインドチェンジに一役買ってくれるかもしれません。
50代は就労観の転換が課題50代は就労観の転換が課題 拡大画像表示
【10秒チェック!】キャリアが長期化していく中で、成長ばかり追い続ける働き方は、いずれ立ち行かなくなります。これまでの就労観をいかに転換できるかが、大きな課題とも言えます。