6月20日に告示、7月7日に投開票が行われる今回の都知事選挙には40人以上が立候補の意向を表明。蓮舫氏は国政レベルでの政権交代を目指している?今回の都知事選は、共産党を含む政治勢力が都の権力を握ることの是非が争点に…。作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が読み解く。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優、構成/石井謙一郎)
今回の選挙で鍵を握る日本共産党は、蓮舫氏の支持を表明
東京都の小池百合子知事(71)がようやく、3期目を目指して出馬することを明らかにしました。6月20日に告示、7月7日に投開票が行われる今回の都知事選挙には40人以上が立候補の意向を表明、過去最多だった前回の22人を大きく更新する見通しです。
しかし事実上、現職の小池知事と、無所属で立候補する立憲民主党参議院議員の蓮舫氏(56)、広島県安芸高田市の石丸伸二・前市長(41)らの間で争われることになります。
蓮舫氏は、5月27日に立候補の記者会見を開きました。同日の「日本経済新聞」電子版は、こう伝えています。
自民党派閥の政治資金問題を受け、衆院3補欠選挙で立憲民主党が3勝し、26日投開票の静岡県知事選でも立民が推薦した候補が勝利したと強調した。「国民の声ははっきりしている。自民党政治の延命に手を貸す小池都政をリセットしてほしい。その先頭に立つのが私の使命だ」と強調した〉
今回の選挙で鍵を握るのが、日本共産党です。共産党は早々と、蓮舫氏への支持を表明しました。5月27日の「しんぶん赤旗」は、次のように報じています。
蓮舫氏も、共産党との協力に意欲的です。出馬会見で、支援を受ける意思を明確にしました。
29日には都議会の共産党控室を訪れ、「一緒に明るい温かな東京をつくらせていただきたい」とあいさつして、大山とも子・都議団長から花束を受け取っています。
蓮舫氏は、共産党の組織票を計算しているはずです。しかし、人気がないだけの立憲民主党と違い、共産党に対しては忌避反応を示す個人や組織がどれだけ多いかを、考えているでしょうか。