「『自分の感情がわからない』という人には、たった1つの特徴があります」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
「メンヘラなとき」は誰にでもある
誰だって一度は「自分の感情がわからない!」となることがあると思います。
そこから派生して、「気づいたらネガティブなことを考えてしまう」「自分に自信がない」「モヤモヤして夜も眠れない」というときもあるでしょう。
頭の中では、「不安ばかり感じていても良くない」なんてことはわかっているのに、いつも自分の感情に振り回されてしまう。
人間は、自分で考える以上に、「感情」と「理性」が一致しない生き物ですからね。
少し「考え方」を変えよう
たとえば、「もっとやせたほうが健康にいいですよ」と医者に言われて、すぐさまダイエットに取り掛かれる人はいません。
たいていの人は、「そんな簡単に言われても。できるならもうやってるよ!」と感じるでしょう。
「頭では理解しているけれど、感情的にムリ」
という、たった1つの特徴があるのです。
「感情的な私」だけが頭のなかにいる状態が続いてしまうと、いつしかメンタルが病んでしまいます。
俗に言う「メンヘラ」とは、このような状態を指します。
「本当はわかっているけど、認めたくない」
「余計な一言でモヤモヤしてしまい、仕事が手につかない」
というように、「感情」と「理性」がバラバラで、心が不安定な状態のままでいる。
まずはこの状態を、「頭んなかがメンヘラになっている!」と呼ぶようにしてみてください。
頭のなかが感情でぐるぐるしてしまうときに、1秒だけ口に出してみるのです。
いかがでしょう。俯瞰で自分のことをとらえられると思います。
「理性的な私」を育てよう
メンヘラっぽくなってしまうときは、誰にでもあるのです。
精神科医である私だって同じです。
それなのに、メンヘラという言葉は、「あいつはメンヘラだ」と侮蔑的に使われてしまっています。
私の考えは違います。
自分の頭のなかに向けて、「メンヘラっぽいときもあるよね」と、認めるように使ってほしいのです。
そうすることで、「感情的な私」と「理性的な私」に関係性ができあがります。
あとは、「理性的な私」で上手に「感情的な私」を飼いならしていけばいいんです。
その第一歩として、先ほどの口グセを覚えておいてください。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。