学生のメンタルを守りながら習慣づけをする、とっておきのタイムマネジメント術があります。
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

【スマホばかりで勉強をしない!】学生のメンタルを守りながら習慣づけをする、とっておきのタイムマネジメント術Photo: Adobe Stock

学生は忙しい

 現代の学生は本当に忙しいですね。
 授業、宿題、部活、アルバイト、そして友達とのSNSやLINEのやり取り……。

 そんな忙しい毎日を過ごしていると、知らずにストレスが溜まってしまい、ついつい心の調子を崩してしまいます
 忙しい子どもたちのために代わりに勉強してあげることはできませんが、親としてサポートするためにタイムマネジメント術を伝えることはできます。

 ときに、勉強以上に大切なことですので、よろしければいっしょにやってみましょう。

一緒に目標を決めよう

 まずは、一緒に目標を立てるところが重要です。
 人間は最終的なゴールや目標を建てることで、そこに行き着くまでの効率的な道筋が見えてきます。

 その上で、大きい最終の目標以外に「今日の目標」といった小さな目標も一緒に決めるのがおすすめです

 あまり遠すぎる目標ばかりを意識すると途中で息切れしてしまうので、「今日は英語の宿題を終わらせよう!」といった小さな目標をいっしょに建てることはやる気のアップに繋がります。

やることリストを作ろう

 To-Doリストを一緒に作るのも効果的です。
 カラフルなペンや可愛いステッカーを使って、視覚的に楽しめるリストを作成してみましょう

「急いでやること」と「あとでいいこと」を分けて書き出す練習をすることで「優先順位をつける」という大切な能力が育まれます。
 大人になっても苦手なままな人もいるので、学生のうちから始めていきましょう。

「タイムブロッキング」を試してみよう

「タイムブロッキング」とは、一日のスケジュールをブロックごとに分ける方法です。
「午前中は授業、午後は宿題タイム、夕方はリラックスタイム」といった感じでタスクを時間で事前に区切っておくことで、「計画的に動いている」という実感を与えてやる気に繋がります。

 また、どうしても先送りする癖が抜けない人ほど、タイムブロックを使うと実現しやすくなります。
 人間はタスクにかける時間を過小評価しがちなため、休憩時間もちゃんと入れて、リフレッシュも計画的に行いましょう。

スマホを味方にしよう

 タイムマネジメントにはスマホのアプリを活用すると効果的です。
 近年はスケジュール管理に便利なアプリも多いです。
 ズボラで管理が苦手という人でも、スマホで管理することで忘れなくなることがあります

 ですが「そもそも何が良いかわからない」「始めるきっかけがない」と悩んでいる学生さんも多いため、親御さんが始めるキッカケとなると良いでしょう。

休憩は「マネジメントの最重要項目」と意識しよう

「ずっと勉強しなさい!」なんて言われても、それでは余計にストレスになってしまいます。
 人間ですから、誰しもついつい休みがちで、休憩時間は増えてしまうものですが、思い通りに計画が進まないことでメンタルヘルスを悪化させてしまいます。

「休憩時間が長すぎるんじゃないの!」と起こる前に、事前に「休憩時間はどのくらい取るか」といった体系立てが重要になるでしょう。

「振り返りの時間」を持とう

 一日の終わりに、子どもと一緒に「今日は何がうまくいったか」「明日はどうするか」を振り返る時間を作りましょう。

 人間のモチベーションは小さな成功体験によって高まります。
 1日の終わりにできたことを親子で褒めあうことで、お互いの自信も育めます。

 以上です。
 親として、子どもたちのメンタルヘルスを守るためにできることはたくさんあります

 勉強や友人関係の悩みは変わってあげられなくても、これらのタイムマネジメント術を通じて、子どもたちがストレスフリーで楽しい学生生活を送れるようにしましょう。

 ぜひ、これらの方法を試してみて、あなたの子どもが健やかでハッピーな学生生活を送れるようにサポートしてあげてください。

(本稿は、頭んなか「メンヘラなとき」があります。の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)

精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。