圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者・森武司氏は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回インタビューするのは、銀座のオーナーママとモデルの経験を経て経営者となった水川美南氏。
現在は美容皮膚科のコンサルタント、そしてミスコンの主宰者として、viviana group CEOを務めている。今回は水川氏に、本書の中で登場するテーマ「仲間との絆を深めるためのしくみ」を元に、女性部下との接し方のコツについて、話を聞いた(ダイヤモンド社書籍編集局)。

【元銀座ママ・コンサルタント】女性部下の心をつかめる人の共通点Photo: Adobe Stock

自分の幸せを一番に考えた働き方

――水川さんがモデルから経営者になるまでのエピソードを教えてください。

水川美南(以下、水川):最初はミスコンのモデルとして活動をしていました。

わが家は元々、経営者一族ということもあり、「何か自分にもできないかな」と、関連資格を全部取って経営を始めたんです。

ただ、いきなり始めた銀座のクラブの仕事ですが、最初はうまくいきませんでした。

とにかく集客をしなければと、ミスコンのドレスを身につけ、銀座を歩くこともありました。
元々モデルということもあり、歩く姿には自信があったので、とりあえず自らの名前を売ることに注力しました。

1日1組集客できれば、1か月で30組も集客ができるわけです。
人脈もない中、ドレス姿で銀座の街を歩いた経験は、今にすごく活きています。

その後、幸運もあり、経営自体は問題なかったのですが、店を始めて3年ほど経ったとき、「私、このまま続けるのかな」と、なんとなく嫌な気分になったことがあったんです。
それがお店を辞めるきっかけだったのかもしれません。

――どういった部分で、店を続けるのが困難だと感じたのでしょうか。

水川:自分のお客様をスタッフに引き継ぐのが難しかったことです。
自分のお客様を人につけたり、誰に2代目を任せるなどに疲れてしまい、最終的にはお店を手放したんです。

自分がスタッフにどれだけやさしく接しても、報われない瞬間があると、非常にストレスを感じましたね。
当時20代だったこともあり、自分の時間が一切なくなってもお店を続けたいかと自問自答したら、嫌でした。

そして、どんな方法なら一番幸せなんだろうと考えた結果、いろいろな仕事にチャレンジしつつ、年1回のイベントの形で、ミスコンを開催してみようと思ったんです。

今は、ミスコン以外は経営コンサルタントがメインの仕事なので本当によかったと思っています。

女性部下と接するときの心がまえ

――現場を経験してきた水川さんだからこそ、コンサルタントとしても成立されるんですね。おもに女性中心の中で仕事をしてきたと思いますが、いろいろな人を見てきて、女性部下の接し方がうまい人の共通点はありますか。

水川:自らのプライドをいったん捨てて接していることかもしれません。

私の場合は、女性対女性なので、最初から割と心を広く持つようにしています。
プライドがあると、仲間や部下に対して面白い話なんてできません。

私はいつも笑っていたいので、そのためにプライドを捨てるのは重要です。

――そんな意識が芽生えたのは、どのような経験がターニングポイントになっているのですか。

水川:モデル時代にオーディションで落選続きだったことでしょうか。
オーディションに通過する=できる子は、失敗も楽しめるくらい、自分のことを面白く表現している人が多かったんです。

シリアスでいるときほど、そんな子が羨ましいと思えましたね。
友達であれ上司であれ、プライドが高い人より低い人のほうがつき合いやすいでしょう。

お店を経営していたときは、価値観が全く違う人たちの中で仕事をしていたので、月1回ペースで女性たちとごはんに行くようにしていました。

飲みながらラフな雰囲気で、自分の気持ちを打ち明けたり、問題が発生したらその都度、どうしていけばいいか、じっくり話し合うこともありました。

そうやってワクワクすることを求めたり、何か楽しい話がし合える会社って、本当に大事なんです。

『スタートアップ芸人』の中でも、“揉め事が起きたときの対処法”として、会食しながら、人の話をじっくりと聞くことが大事とありましたね。
職種問わず、じっくりコミュニケーションが取れれば、割と早く問題を解決できるのです。