投資をするならできるだけリスクは低く、堅実にリターンを狙いたい。そんな人にはデイトレードのような目まぐるしい取引ではなく、長期投資が向いているだろう。長期投資で資産を増やすためのコツを、投資のプロが解説する。本稿は、澤上篤人『一生安心したいから「大人女子、投資始めます」』(主婦の友社)の一部を抜粋・編集したものです。
長期投資は「推し活」
企業を楽しく応援しよう
これまで投資をしたことがない人にとっては、株式投資と聞いただけで「難しそう! ムリ!」と感じてしまうかもしれませんね。でも、まったくそんなことはありません。単にこれまで縁がなかったというだけのこと。特に自分自身の暮らしを大切にしているみなさんこそ、長期の株式投資に向いているのは間違いないと思います。
基本的なことは、「自分が好きな企業、応援したい会社を、長期投資という力で支えていく。その結果、自分の資産も増えるし、大好きな会社も元気に事業が続けられる」という流れです。
つまり、長期の株式投資で大切なキーワードは「応援」です。
自分の理想とする社会や夢と同じ方向に向かってビジネスを展開している企業の株を「応援」の気持ちで買うのです。だから、株式投資はとても楽しく、やりがいがあるのです。悲しい顔をして「推し活」をしている人はいないと思います。好きな企業の株式を買う、つまりその企業の株主になるということですから、気持ちがワクワクしてくるはずです。
どんなときに、もっとも価値のある「応援」ができるのか、ぜひ知っておきましょう。それは株式市場全体が暴落したり、なんらかの理由で応援したい企業の株が大きく売られて、株価がひどく下がっているときです。
企業経営者からすると、株価の突然の下落というのは困ったことです。毎日、まじめにビジネスをして、社員にはしっかり給料を払っているし、よい製品を消費者に届けている。それなのに株式市場全体の暴落や、よく理解できない理由で、自社の株価が下がっている。
すると損得しか考えない個人の投資家や機関投資家が、追い打ちをかけるように、どんどん売ってくるのです。
こういうときにこそ、本物の応援団である長期投資家の出番です。みんなが売っているのに、「私たちが応援しますよ」と気合いを込めて買いに行くわけですから、企業経営者にすれば、これほどありがたいことはありません。自分たちの経営は間違っていないとわかって、自信がつきます。
長期投資家にすれば、安い価格で株を購入できるので、こちらもありがたい。お互いにハッピーなのです。