「応援買い」に期待できる
3つの重要な役割とは

 この「応援買い」には、3つの重要な役割があります。

(1)株式市場の暴落時に、応援企業の株価が下げ止まる

 株式市場全体が暴落しているときは、あらゆる企業の株式が叩き売られています。全品セール中のようなものです。そういうとき、「この会社の株を買いたい」という投資家が現れたら、少しずつ売りが吸収されていきます。つまりセール品が売り切れてしまうわけです。すると、その企業の株価は下げ止まります。

「え、もう売っていないの? それなら少し高値でも買うわ」

 という人が現れたら、下がり続けた株価が今度は再上昇し始めます。

 こうなると、「投機」専門も含め、世の投資家たちが、早くも注目しだすわけです。

「ほかの株は下がっているのに、どうしてこの企業の株だけ上がってきたんだろうか。よほど好材料が隠されているに違いない」と思い、目ざとい彼らはさっそく買い始めるのです。

 この嗅覚が株式市場のすごいところです。ふと気がついたら、多くの株式がまだ暴落後の低迷を続けている中を、一部の株価だけスルスルと上昇を始めているといった展開となっていくのです。

 これも、長期投資家による応援買いがあってこそです。

(2)応援したい企業の経営をあと押しする

 株式市場が大暴落したり、株価全般が長期低迷したりしている時期に、その企業だけ株価がスルスルと上がり始めると、金融機関はじめ世の中も注目します。「この会社はよい経営をしているのだな」と思われるので、自然と信用が高まります。すると資金調達もしやすくなります。もちろん、その会社のイメージは高まり、商売にもプラスとなります。

 同業他社は株価が低迷して苦しんでいます。そんな中、みなさんが応援している企業は金融機関から融資をしてもらい、経営を一歩進めることができます。すると今後のビジネス展開でも有利になるでしょう。将来に向けて、積極的な経営ができるのです。

(3)株主の顔ぶれが変わる

 株式市場の暴落などで株価が下がると、儲けしか考えていない一般投資家や機関投資家は、手持ちの株を慌てて売り始めます。つまり、いつの間にか金儲け主義の株主がいなくなっていくのです。

 これまでの持ち主がいなくなった株式を、私たちのような本物の長期投資家が驚くほど安く買っていきます。

 その会社を本気で応援する人たちが株主になるので、経営者にとっても、こんなに嬉しいことはありません。ますます自信を持って、よい経営を追求することができます。