6月27日に行われた米大統領選の候補者討論会が米政界で反響を呼ぶ中、関心の大半はジョー・バイデン大統領のおぼつかないパフォーマンスに集まった。しかし、この話にはもう一つの側面がある。今回の討論会を受け、外交政策が主な争点へと浮上した。国際政治の温度が上がり、米選挙が近づくにつれてさらなる国際危機が起きる可能性を高めた。米大統領選の候補者討論会は通常、財政政策や文化闘争といった国内問題を中心に展開されるが、先週の衝撃的な出来事は例外だった。ドナルド・トランプ氏は外交政策がバイデン大統領の極めて重大な弱点だとみており、自身に有利に働くと考えるテーマを執拗(しつよう)に攻撃した。トランプ氏は「全世界で、われわれはもはや国として尊敬されていない。世界はわれわれのリーダーシップを尊敬していない。世界は米国をもはや尊敬していない」と発言。トランプ氏は27日の討論会で、この考えに何度も立ち戻った。その上で、「米国に真の大統領、(中略)プーチンに尊敬される大統領がいたら」、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナに侵攻していなかっただろうと語った。