5:保身のために自分の調べたこと・準備を全部伝えてしまう
【5の具体例】
・上手く行かなかった理由を述べる。
・結局今注力していることは、成功したのか失敗したのか?その要因は?を端的に知りたいのに成功か失敗か先に言わない。
・APPENDIX(後付け、付録)偏重=資料をきれいに作り、何を言われても答えられるような準備(あるいは準備のための準備)の方に注力してしまう。
・集団の中で恥をかきたくない、怒られたくない心理が働いてしまう。

6:いきなり根拠もなく決めに行く
7:決めることができない無関係の人が呼ばれている
8:会議時間枠いっぱいを使ってしまう
9:総論OK、各論反対の人が多い。後からトイレなどでグチグチ言う、その場で言わない

 こういう会議ではやっているフリだけが際立ち、何も決まりません。会議主催者の意志が大きく影響しているのは言うまでもありません。

 私が在籍していたころのリクルートでは会議とは「決める場」であることが大半で、決めることが仕事、という言葉が多くの先輩方の胸に刻まれていました。したがって、会議の司会進行・ファシリテーション(円滑に進める)役は、その会議で1番大きな決裁権を持つ役職の高い人物が担うことが当たり前となっていたのです。

 マネジャー5名と部長1名の会議であれば、部長が議長となり、そしてこの議長がホワイトボードに自身で書きながら、また自身が作った資料を配布してそれを読み上げながら会議を進行します。「決める立場の人間が会議を動かす」、これを愚直にやっていた印象です。

 これに付随して、参加メンバーも厳選されることになります。決める立場の人だけ呼んで、決められない・意志がない人は参加させない。意見を言えない人・意志がない人に対しては「なぜあいつを呼ぶんだ?」となってしまうくらいの雰囲気でした。

 言い方を変えれば、ここで決めたことはそのまま事業所属メンバー数百人~数千人で動かす、引き下がれない、その緊張感に耐えられる人がアサインされます。意志のない人が会議に参加するのは許されない、参加者全員が「自分が決める」という意識で臨んでもらう必要があり、そのテーマに対して意見を持っている必要がありました。