仕事をしている実感があったり、外目には仕事をしているように映っていたりしても、知らず知らずのうちに人生を潜在的に狂わせてしまっているのです。大仰に見えるかもしれませんが、それに気づかずに日々を過ごしているビジネスパーソンが非常に多いと思います。

 ここにメスを入れようとすれば自身の労働スタイルの否定、自己否定につながってしまいかねず、直視し難いところでしょう。しかし、そういったところに問題の核心が存在しており、そこに真摯に向き合って行くことが生産性向上の第一歩であり、ひいては人生に対するリスペクト、幸福への近道なのだろうとも感じております。

ムダな会議には
大きく2つの傾向

 ムダ会議とは?ムダで意味のない会議とは?

 大きく2つの傾向があります。

【A】決めようとしていない
【B】眼前可視化していない

 会議の主催者が意志・意見を持っておらず、何を議論するのか?お題は何か?会議のゴールは何か?が設定されていない、議論に必要なメンバーがアサインされず、とにかくたくさん人数を呼んでいる……こんな会議って結構ありますよね?

 主催者の意志いかんで会議の品質が決まると言っていいでしょう。会議の主催者が意見・意志なく「みんなの意見を聞こう」という無責任なやり方を採っていることで会議の意義を奪ってしまっています。

 主催者が意志や仮説を持って会議を主催して初めて、意見修正ができます。それを議論する時にどんなメンバーが必要なのかを決定しやすくなり、不要な人まで呼ぶ必要はなくなります。意志や仮説がなければ議論の土台がないのも同じで、会議は進みませんね。

 決めようとするから、アジェンダや資料、議論の流れの把握が大事になってくる。議論を積み重ねていこう、深掘りしていこう、蓄積して後戻りしないようにしよう、というスタンスになり、眼前可視化する必要性が出てくるわけです。それぞれ詳しく解説していきましょう。

決めない会議の
9つの具体例

 決めない会議の例をざっと並べると以下の通りです。

1:いきなりアジェンダもなく、報告から入る
2:決定権のある人が司会進行をやらない
3:各アジェンダの進行時間が守られない
4:必要な議論に直接行かない(感想を述べるばかり)