圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者・森武司氏は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回インタビューするのは、FIDIAでも事業の柱ともなっている広告事業部を設立時から支える井上卓也氏。
広告運用が未経験であるところからはじまり、今ではサブマネージャーとして多くの部下を抱えながら、FIDIAの新しい歴史を刻み続けている。
今回は井上氏に、本書のテーマとして登場する「仕事も遊びも渾然一体が強みとなる」を元に、仕事においてのコミュニケーションの大切さについて話を聞いた。(構成・谷川和歩/ダイヤモンド社書籍編集局)

【「仕事を辞めたい」と相談してきた部下】一流の上司はなんて声をかける?Photo: Adobe Stock

仕事を長く続けられるコツ

――井上さんがFIDIAに入社されるまでの経緯と、入社後の配属先や仕事内容について教えてください。

井上卓也(以下、井上):FIDIAには2013年4月に入社しました。2024年で勤続12年目に入ります。
現在は広告事業部で、執行役員でもある菅さんの下で広告運用をメインに仕事をさせてもらっています。

入社するきっかけになったのが、森社長の初めての本である『スタートアップ芸人』にあるとおり、当時の「街コン事業」の中で、私が参加者として街コンに参加したことでした。

会場で森さんと仲良くなったタイミングが、当社のEC事業立ち上げの直前だったのです。

ちょうど転職を考えていた時期だったこともあり、「次にやりたいことが決まっていないなら、うちで一緒にやらないか」と森さんが誘ってくれて。
EC事業部には3年ほど在籍し、現在の広告事業部の立ち上げと同時に異動しました。

――いいタイミングで入社されたんですね。当時の森社長の印象はどうでしたか。

井上:月1回はイベントに参加していたのですが、森さんとよく話をするようになり、仕事の相談を持ちかけると親身に話を聞いてくれました。
会場でもよくいじられましたね(笑)。

話をしていくうちに、自然と食事に行って深い話をするようになっていったと思います。

――勤続12年目となる井上さんですが、ずっと働き続けていられる理由はどんなところにあるのでしょう?

井上:「人」だと思います。
一緒に働きたいと思える人と仕事ができるのが一番の理由だと思います。

辞めようと思った時に社長から言われた一言

井上:ただ、数年前に一度だけ「退職」を考えたことがありました。

2021年のこと。事業部自体が多忙で、そのタイミングで体を壊してしまったんです。
2週間ほど入院する中で、いろいろなことがうまくいかなかったからか、ちょっと外の景色が見たくなった時期でした。

直属の上長である菅さんに話を持ちかけたところ、後日、森社長からバーに呼び出されたんです。
「いつもの飲み会かな」と思っていたら、執行役員の石田さんと橋本さんまでが私と話をするために、その場にきてくださったんです。

――その場ではどんな話をしたのですか?

井上:まだやりきっていないよね」という一言が大きかったです。
その一言で、中途半端に投げ出したところで、別の分野をやろうとしてもうまくいくはずがないよなと考え直しました。

自分のために、社長と役員の方々がじっくり話を聞いてくれたことが嬉しくて、やりきるまで一緒にまた頑張っていきたいと、改めて意思を伝えました。

――その後の働き方だったり、気持ちの持ち方に変化はありましたか。

井上:休職したのが年末だったのもあり、そのまま長期休暇に入ったので、役員のみなさんと話したことをゆっくり噛み砕く時間が取れました。

時間に余裕ができたことで気持ちが切り替えられたのと、社員とのコミュニケーションをする機会が増えたのもあって、しっかり地に足をつけた状態で今に至ります。

コミュニケーションひとつで
仕事も人間関係もうまくいく

――コミュニケーションがキーポイントになったんですね。

井上:今思えば、自分からコミュニケーションを取ることが少なかったので、意見交換の場を設けてもらうことや、自ら話をする意識を持つことができたことで不安が払拭できたんだと思います。
『スタートアップ芸人』の中でも、この“コミュニケーション”というワードがたくさん出てきます。

本の中に「仕事も遊びも渾然一体が強みとなる」というテーマが出てきますが、FIDIAでは社員が自主的にフットサルや麻雀、ビリヤード、ダーツなどで遊んでいます。
本の中には記載されていませんが、以前は社長とボードゲームをする会もありました。

そういった遊び心が、スタッフ間のコミュニケーションづくりの秘訣にもなっているのかもしれませんね。