焼肉北山 下鴨店「芸能人御用達の焼き肉店」としてメディアで紹介されることも多かった「焼肉北山」。運営していたロックスは、外部環境の悪化から倒産に追い込まれた。写真は「焼肉北山 下鴨店」(帝国データバンク撮影)

帝国データバンクが7月5日に発表した『全国企業倒産集計』によれば、今年上半期の倒産件数は前年同期比22.0%増の4887件に急増。上半期としては2014年以来10年ぶりの高水準となった。特に目立ったのが「物価高倒産」と「人手不足倒産」で、その象徴的な業種のひとつが「焼き肉店」だ。なぜ今、焼き肉店の破綻が相次いでいるのか、解説する。(帝国データバンク 情報統括部 情報編集課長  内藤 修)

「物価高倒産」と「人手不足倒産」が
過去最多件数を大幅に更新

 企業倒産の増加が止まらない。帝国データバンクが7月5日に発表した『全国企業倒産集計』によれば、2024年上半期の倒産件数(負債1000万円以上、法的整理)は前年同期比22.0%増の4887件に急増した。物価高、人手不足、コロナ支援策の縮小を受け、上半期としては2014年(4756件)以来10年ぶりの高水準となった。

 特に目立ったのが「物価高倒産」と「人手不足倒産」で、いずれも過去最多の件数を更新した。

「物価高倒産」は484件(前年同期375件、29.1%増)判明し、年半期ベースで過去最多を大幅に更新。集計開始の2018年以降の累計が2000件を突破した。このペースで推移すれば、2024年の年間合計は900件を超える可能性がある。業種別では『建設業』(124件)が最も多く、『製造業』(109件)、『運輸・通信業』(91件)が続いた。

「人手不足倒産」も大きく増加した。2024年上半期は182件(前年同期110件)判明し、前年同期から65.5%の大幅増加となり、こちらも年半期ベースで過去最多を更新した。年間合計で昨年(260件)を大きく上回るのは確実視される。業種別では『建設業』(53件)が最も多く、全体の約3割を占め、『運輸・通信業』(44件)は前年同期(20件)から倍増した。