理想のイメージは商品の回転が早い人気商店です。こまめに商品を仕入れても次々に売れるため、さらに仕入れが必要となり、棚で埃をかぶっている品がありません。仕入れと販売の新陳代謝が活発なので経営も常に健全ですから、店主もお客さんも双方が常にハッピーです。

 このように、インプットした情報は心に溜めず、ちょっとしたことでも誰かに話せばスッキリします。さらに別の知識を仕入れて、「もっと話したい」「次はもっと工夫したプレゼンを」と前向きに変化していくでしょう。

書影『最強の60歳指南書』(祥伝社新書)『最強の60歳指南書』(祥伝社新書)
齋藤孝 著

 映画や芸術を好きな人であれば、知識を整理してブログなどにアップするという方法もあります。その際、アクセス数などは気にする必要なし。とにかく溜まったものを吐き出すことが肝心です。

「知の回転力」を身につける方向へ習慣をシフトすると、疲弊した脳はきっと改善されます。最終的には「インプット1対アウトプット9」くらいを目指したいものです。

 せっかくインプットした知識です。そこから新しい何かを生み出すために、まずは溜め込んだ知識を塩漬けにせず、発信していくこと。

 何かをインプットしたら「さて、これはどこで出していこうかな」とセットで考える癖をつけておくのもいいでしょう。