セクハラを軽く考えていると痛い目にあうのが現代

 先にお断りしておきます。

 現代とまったく違う価値観の昭和の時代を生き抜いてきた高齢者、とくに男性には、セクハラをなんとも思っていない人が多いのです。

 しかし、すべての高齢者がその傾向にあるわけではないので、そこは勘違いのないようにお願いします。セクハラをする人は、もともとそういう気質を持っている人で、年齢を重ねて抑制がきかなくなったことにより、顕著になったとお考えください。

 だから、「高齢者はよくセクハラをする」は誤った認識です。

 とはいえ、セクハラをしない人でも、世代的に今の若い人たちと持っている感覚が違う点は否めないでしょう。何がセクハラに該当するか。どこまでならセーフで、どこからアウトになるのか。その基準には、大きなズレがあります。

 ことあるごとに、「昔であれば、これはセクハラでもなんでもない」と言う高齢者が多いことが、その事実を証明しているといえるかもしれません。実際にそのとおりなのでしょうが、今は世の中全体の倫理観が向上しているので、その現実を受け入れ、感覚をアップデートしなければならないでしょう。

 これまでは大きなトラブルに発展することがなかったとしても、今の時代はその姿勢を改めていかないと、訴えられるリスクを高めることになります。スマホが1台あれば、音声や映像などの“証拠”を、いくらでも残すことができますからね。