其の四:就活比較
横国大は、関東圏では有力大学のひとつとして、それなりのパワーを発揮している。地元・横浜ではなおさらだ。「東大、一橋、早慶などの一流と比べると、横国は準一流扱い」といった声もあるが、「大学名ではじかれることはない」との見解で一致。
理工学部は、院進学者が7割超に達する。院修了後は官公庁や大手企業など、行き先探しに苦しむことはない。経済学部や経営学部は名の通った金融やメーカーなどの会社に入る人が多い。就活支援のキャリア・サポートルームは、程よく親身。
横市大は、特に強い業界はないが、横浜銀行をはじめとする金融、情報通信、メーカー、サービス業などへまんべんなく就職。公務員志望も多い。
一流企業志向より地元志向が強い。横浜では一流大学として大概の企業が迎え入れてくれる。都内では知名度の低さからMARCHクラスの私大より下に見られるか、珍しがられて印象に残るかのどちらか。大学のキャリア支援センターは就職相談、OB・OG紹介、合同企業セミナー、模擬面接などを一通り行っている。
お互いを少なからず意識している学生たち
横国生は横国大が横市大と並べて語られるとき、「横市は医学部があるだけで、それ以外だったら横国の方が上」と心の中でこっそり思っている。しかし、大学をでてすぐに飲みに行けるような環境にある横市大を実はうらやましく思っていることも事実である。
一方横市大では、校歌で「ああ 浜大の俊英 われら」と歌われ、学園祭の名称も「浜大祭」であるのにもかかわらず、「横国」と並べて「横市」と呼ばれるようになってしまったことを嘆くOB・OGも少なくない。とある横市大生は、「横国は遊んでる。横市はめちゃ勉強してる」と語っている。
横浜国立大学、横浜市立大学のどちらも「横浜」のイメージとは程遠い自然豊かな場所にある大学だ。
しかし、それぞれ特色豊かな大学であり、その特色は大きく異なる。学生同士、意識しあっているものの、どちらも横浜を代表するのにふさわしい大学であることには間違いないだろう。