Photo:Mint Images/gettyimages
IT現場での活用が大きく期待される生成AI、実際にはどんなことができるのか？最新生成AIサービスを活用すると、これまでやってきた簡単なプログラムはほとんど自動で生成できるように。一方、社内PCのログを監視できる機能も実装される予定で、社内のヤバい秘密がバレちゃうかも？特集『DX180社図鑑』（全31回）の＃16では、メンバーが日常業務に実際に取り入れている生成AI活用方法をはじめ、今後のAIの進化を予測する。（聞き手／ダイヤモンド編集部 鈴木洋子）
Henry @HighWiz 大手SIerの大規模プロジェクトのPMを経て総合コンサルで活躍中
よんてんごP @yontengoP ブラックIT企業を渡り歩く病人X（旧Twitter）er。最近はブラックでなくなったらしい
むぎSE @MUGI1208 社内SE社畜ツイッタラー。炎上プロジェクトの遭遇率が高め
shin @shin_ofshins ウェブとアプリに詳しいコード書く系スタートアップ経営者
かち @kachi_saas 諸事情で外資ITソフトウエアベンダーを卒業★した人
SW @Diamond_IT_SW コンサルからメーカー情シスに移籍した企業哀戦士
マイクロソフトのCopilotが超優秀！
SAP移行にAIが活躍するのはまだかな？
――生成AIで新しい流れは何かありますか。
よんてんごP（よん） マイクロソフト（MS）のCopilotがすごいですよね。PowerShell（Windowsの管理や自動化などを行うツール）に対してはほぼ100点のものを出してくる。グループポリシーの設定とか、「エクセルの関数でこういうことをしたいんだけど」と言うと、自分で考えてたら書くだけで20分とかかかるものがコーヒー入れてる間にピュピュッと数分で作れちゃう。
SW MSの情報はかなり正確に出してきますよね、Copilot。
Henry これさ、SAPで同じことができるようになったらSAPコンサル廃業じゃない？
よん あ、でも俺一回「こういうことがしたいんだけど、このデータってどこのテーブルに入ってる？」って聞いたら普通に教えてくれた。SAPって基本データベースの構造が決まってるから。うそつかれることもあるけど。
SW でもSAPの情報ってSAPのポータルの中にしかないのもあってクローズドなんですよね。一回生成AI使って調べたことがあるけど、答えが30％くらい間違ってて実用的ではないかなと。
よん ERP導入する前にやるべきことを箇条書きくらいにはしてくれるかな。
shin 生成AIは間違えるものなので、たたき台を作ったり自力でできるものを時短するには使えても、自分では分からず真偽判定ができないものには使えないですよね、今のところ。
GitHub Copilotは人気ですよね。これはエディターにプラグイン（拡張機能）を入れれば、「この先こう書くつもりじゃない？」ってAIが提案してくれるんですよ。確かにそうだなと思ったら採用すればいいし、違うなと思ったら自分で修正すればいい、精度が完璧でなくとも時短にはなる。Copilot＝副操縦士って言い方がいいよね。
よん 俺は早く操縦席を出て、乗ってるだけの客座席に移りたいんだが。
かち あと一個一個のLLM（大規模言語モデル）がどんどん小さくなっていって、用途別の特化型ミニLLMが増えて、みんなの精度に対しての満足度が上がっていくと理解してます。「このことだけは超正しく答えてくれる」みたいな。
SW ChatGPTが世間一般に出ている情報を基に回答するのに対して、「その企業だけが持っている情報を基に企業内のデータレーク（多様なデータを一元的に格納できるシステム）を吸い上げて回答する」っていうサービスへのニーズがすごいきてますよね。
Henry 拡張検索って呼ばれるやつだね。
よん SAP移行もAI連携してくれたら楽になるんじゃないかな。過去の成功データと失敗データを彼ら持ってるはずじゃないですか。それをドンッて生成AIで検索して、「お客さまの会社に移行はまだ早いです！」とか自動で判定してくれるの。
SW SAPもJouleという生成AIアシスタントを発表しているので、今後どうなるか楽しみです。
――基幹システムの移行に伴うさまざまなトラブル、例えばCOBOL言語を自動でJavaに置き換えたり、ドキュメントには残っていないけどこのプログラムを変換していいのかの判断などは、生成AIでなんとかできないんでしょうか？
