一見華やかなDX部なのに、お金もなければ権限もなく、革新的なことをやろうとするといつも責任を取りたくない経営企画部がつぶしに来る……?DX部で日夜頑張る俺ももう限界?特集『DX180社図鑑』(全31回)の#15は、IT業界座談会5本目。テーマは「そういえばDXどこに行った?」(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
Henry @HighWiz 大手SIerの大規模プロジェクトのPMを経て総合コンサルで活躍中
よんてんごP @yontengoP ブラックIT企業を渡り歩く病人X(旧Twitter)er。最近はブラックでなくなったらしい
むぎSE @MUGI1208 社内SE社畜ツイッタラー。炎上プロジェクトの遭遇率が高め
shin @shin_ofshins ウェブとアプリに詳しいコード書く系スタートアップ経営者
かち @kachi_saas 諸事情で外資ITソフトウエアベンダーを卒業★した人
SW @Diamond_IT_SW コンサルからメーカー情シスに移籍した企業哀戦士
サブスクマン 中途で大手SIerにログインするも、不採算事業を押し付けられログアウト寸前
某大手企業は数十億円の予算が付くDX
弊社は百万円しかないのだがこれでどうしろと?
――ところで皆さんの会社のDX事情はどうでしょうか?
むぎSE(むぎ) 一応DXやってはいるんですよ。事業部門が思い付いた細かい施策を取りあえずやったりしますけど、点の動きで面にならない。企業を変革するような大々的な動きはやっぱ難しい。ボトムアップの提案だと最終形に進めない。そしてそのボトムアップの動きを執行役員が求めているのでうまくいかない。
中には数十億円の予算もらってる会社もあると聞くけど、うち百万円単位だからね。スポットの施策を推進するくらい。お財布小さくて稟議も通らないことばっかりで、もうなんかあんまりモチベーションなくなっちゃって。すいません、悩み相談会みたいになっちゃった。
サブスクマン あるある。うちはお客さんに対して、営業担当の働き方を変革するDXをやりましょう!みたいな感じの提案をしてますけど、外から来たベンダーのこういう提案は経営者には伝わっているかもしれないけどマネジャーには伝わってないですよね。社長は旗を振ってるつもりだけど現場が付いてこない。
SW DXできる人材を育てる方向に流れが移ってる気がしますね。リスキリングってやつ。シチズンデベロッパー、市民開発っていう、技術者じゃない人がローコード・ノーコード(プログラミングなし、または少量)でアプリを開発してって事例はよく話題になります。
よんてんごP(よん) なんの資格があるとDXができるんだっけ?
むぎ 公式の資格はなくて、各社で認定制度を作ってるんですよ。NTTコム(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ)さんとか名刺に書いてありますね。だいたいビギナーからスペシャリストまであって、「DXチョットワカル」の人から、「データアナリストできます、ローコード開発できます」くらいの人まで幅がある。
――DXの資格って面白いですね。無資格DXだとうまくいかないとかあるんだろうか(笑)。今具体的にどんなことをやっていると、DXってことになってるんですか?
世の中のDXプロジェクトはなかなかなぜうまくいかないのか?実はどの会社にもある「ある部署」が障害になっているという証言が相次ぐ。DXの美しい宣伝文句の裏にあるドロドロの事態とは?次ページから見ていこう。